障害サービス制度改定の厚労省の資料を、訪問系/居宅・重訪・同行・計画相談支援に関連する部分を抜粋し掲載しております。(社会保障審議会障害者部会 第105回 資料1-1)
最新の資料は厚労省サイト「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定について」にまとめられています(膨大です)。
この記事の最終更新:2021年4月1日・3/30通知(主として計画相談支援部分)を追加。
介護保険制度改定(訪問介護を中心)はコチラのページです。
改正点まとめ解説
令和3年(2021年)は訪問系(ヘルパー関連)にとっては小幅な改正に見えます。ただし、オンライン対応やハラスメント対策、虐待防止委員会・事業継続計画(BCP)【ともに3年の猶予あり】など、非常に重要でかつ事業所運営全体の確認が必要な、負担もある内容です。
また計画相談支援については、報酬増とともに、3年前同様に大幅な変更となっています。注意が必要です。
サービス共通事項
〇会議のICT活用・押印廃止
会議・委員会・利用者担会などのテレビ電話での実施が可能に
押印廃止はコチラの記事にまとめました。(介護保険資料ですが障害も同様です)
〇感染症対応・災害対応の業務継続計画(BCP)の義務化(令和6年度より)
委員会開催、指針整備、研修・訓練の実施
⇒ BCPガイドライン全文掲載ページもご参照ください。
〇虐待防止研修・委員会の義務化(令和4年度より)
研修実施・委員会運営・責任者設置の義務化
⇒ 虐待対応マニュアル・ガイドラインなどのまとめ記事
〇身体拘束適正化の義務化
・身体拘束等の必要事項の記録(令和3年4月より義務化)
・指針の整備、委員会の開催、研修実施(令和4年4月より義務化)
・未実施事業所の減算 :5単位/日(令和5年4月より)
〇地域区分の変更 57自治体が単価区分変更(増または減)
ヘルパー(居・重・同)関連
〇処遇改善加算の厳格化・加算率変更
・職場改善の毎年実施
・加算率の変更(居宅・同行の縮小・重度訪問の増加)
〇地域生活支援拠点等の整備と機能充実
拠点に指定された訪問系サービスの緊急時対応加算の新設
・居宅、重訪・同行 +50単位/回
(居宅介護)
〇初任者サ責のさらなる減算 30%減算へ(現行:10%)
(重度不問介護)
〇移動介護緊急時支援加算の新設 240単位/日を加算
(同行援護)
〇従業者要件の経過措置の延長 (令和5年度末まで)
計画相談支援関連
〇特定加算の基本報酬組込み・要件緩和、基本報酬増
・特定事業所加算は”機能強化型”として基本報酬に組み込まれ、名称変更(廃止)となります。
・常勤専従が1名でも加算されるなど、要件が大幅に緩和(報酬増)となります。
・基本報酬も計画作成で10%程度増です。
〇各種加算の新設・増額
・集中支援加算、初回加算の適用増、ケアマネ連携加算増額など
計画相談支援・機能強化型の算定要件表(弊社作成資料)
新たに基本報酬に組み込まれた”機能強化型”について、通知文は旧特定加算の引用などで非常にわかりづらいので要件表(旧特定加算との比較)を作成しました。
今まで「特定Ⅰ・Ⅱ」だった事業所は、そのままで新しい「機能強化Ⅰ」を算定できそうですので、かなりの単価アップ・要件緩和と言えます。
障害福祉サービス等報酬改定検討チーム資料
現在掲載の資料は、厚労省の令和3年2月4日(木)開催の令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の概要の資料です。(この資料が掲載された厚労省サイトページはコチラ)
詳細通知等は令和3年3月9日開催全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議 別冊資料(介護報酬改定)でも示されています。(骨格資料は審議会資料と同じです)
※全ての資料は『確定』ではありません。(ごく一部修正されることがあります)
詳細は、以下掲載の資料などもご覧ください。
改訂単価表(資料:障害サービス費の報酬算定構造)
居宅介護
重度訪問介護
同行援護
計画相談支援
ダウンロード「算定構造」全文(他サービス含む)
障害福祉サービス費等の報酬算定構造
報酬改定の概要(全体像)
感染症や災害対策・業務継続への取り組み
ICTを活用した業務効率化の評価
虐待防止推進の義務化事項
身体拘束等の適正化の運営基準と減算要件
処遇改善加算の見直し
計画相談支援の報酬増・メニュー増
処遇改善・加算率の変更
地域区分の変更
障害者(成人)
障害児
サービス別の改定内容(詳細)
居宅・重訪・同行
計画相談支援
資料の全文ダウンロード
上記掲載分を含めた資料全文(他サービス分も含む)はこちらでダウンロード可能です。
令和3年度障害福祉サービス等報酬改定資料「概要」(26ページ)
令和3年度障害福祉サービス等報酬改定資料「詳細」(157ページ)
厚労20210330「費用算定基準の留意事項(新旧対照表)」
ダウンロード(全文・全サービス分)
居宅・重訪
押印廃止・ICTによる同意に関する部分はここでは割愛しています。コチラの記事をご参照ください。
記録のICT保管・会議のオンライン実施についても割愛。
身体拘束廃止の適正な取組の内容(2年間の経過措置)
居宅・通院等介助が入退院の際も算定可能に
計画相談支援
機能強化型報酬の要件・事業所連携で認められる範囲
新設の内容で、右側の(旧)が全て空欄なので、左側のみ掲載しています。
(上記内容のテキスト版です)
③ 機能強化型サービス利用支援費(機能強化型継続サービス利用支援費)の取扱いについて
(一) 趣旨
機能強化型サービス利用支援費は、支援困難ケースへの積極的な対応を行うほか、専門性の高い人材を確保し、質の高いマネジメントを実施している事業所を評価し、地域全体のマネジメントの質の向上に資することを目的とするものである。
(二) 基本的取扱方針
当該報酬の対象となる事業所は、
・ 公正中立性を確保し、サービス提供主体からも実質的に独立した事業所であること
・ 常勤かつ専従の相談支援専門員が配置され、どのような支援困難ケースでも適切に支援できる体制が整備されており、市町村や基幹相談支援センター等との連携体制が確保されているほか、協議会との連携や参画が強く望まれるものである。
本報酬については、こうした基本的な取扱方針を十分に踏まえ、支援困難ケースを含めた質の高いマネジメントを行うという趣旨に合致した適切な運用を図られるよう留意されたい。
(三) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定計画相談支援に要する費用の額の算定に関する基準に基づき厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第180号。以下「厚生労働大臣が定める基準」という。)の具的運用方針
厚生労働大臣が定める基準における各要件の取扱いについては、次に定めるところによること。
ア 機能強化型サービス利用支援費(Ⅰ)について
(ア) (1)関係
一体的に管理運営を行うとは、次の要件を満たすものでなければならないこと。また、当該報酬については、複数の事業所が協働して体制の確保や質の向上に向けた取組をすることとし、人員配置要件や24時間の連絡体制確保要件については、地域生活支援拠点等を構成する複数の指定特定相談支援事業所全体で人員配置や連絡体制が確保されていることをもって要件を満たすこととする。
a 協働体制を確保する事業所間において、協定を締結していること。
b 厚生労働大臣が定める基準第1号イの⑴の要件を満たしているかについて、協定を締結した事業所間において定期的(月1回)に確認が実施されていること。
c 原則、全職員が参加するケース共有会議、事例検討会等を月2回以上共同して実施していること。
(イ) (1)の㈠関係
「利用者に関する情報又はサービス提供に当たっての留意事項に係る伝達等を目的とした会議」は、次の要件を満たすものでなければならないこと。
a 議題については、少なくとも次のような議事を含めること。
(a) 現に抱える処遇困難ケースについての具体的な処遇方針
(b) 過去に取り扱ったケースについての問題点及びその改善方策
(c) 地域における事業者や活用できる社会資源の状況
(d) 保健医療及び福祉に関する諸制度
(e) アセスメント及びサービス等利用計画の作成に関する技術
(f) 利用者からの苦情があった場合は、その内容及び改善方針
(g) その他必要な事項
b 議事については、記録を作成し、5年間保存しなければならないこと。
c 「定期的」とは、概ね週1回以上であること。
なお、一体的に管理運営を行う事業所であってア(ア)cに定める会議を開催した週については、当該会議をもって本会議を開催したこととして差し支えない。
(ウ) (1)の㈡関係
24時間連絡可能な体制とは、常時、担当者が携帯電話等により連絡を取ることができ、必要に応じて相談に応じることが可能な体制をとる必要があることをいうものであり、当該事業所の相談支援専門員の輪番制による対応等も可能であること。
(エ) (1)の㈢関係
相談支援従事者現任研修(以下「現任研修」という。)を修了した相談支援専門員の同行による研修については、当該相談支援専門員が、新規に採用した従業者に対し、適切な指導を行うものとする。
なお、一体的に管理運営を行う事業所のうち、現任研修を修了した相談支援専門員が配置されていない事業所に新規に採用した従業者がいる場合、他の一体的に管理運営を行う事業所に配置された現任研修修了者から適切な指導を行う必要がある。
(オ) (1)の㈣関係
機能強化型サービス利用支援費算定事業所については、自ら積極的に支援困難ケースを受け入れるものでなければならず、また、そのため、常に基幹相談支援センター、委託相談支援事業所又は協議会との連携を図らなければならないこと。
(カ) (1)の㈥関係
一体的に管理運営を行う事業所それぞれが、指定基準第19条に規定する運営規程において、地域生活支援拠点等であることを市町村により位置付けられていることを定めていること。なお、一体的に管理運営を行う事業所の範囲は、同一市町村又は同一圏域内の地域生活支援拠点等を構成している場合に限る。
(キ) (1)の㈦関係
当該指定特定相談支援事業所及び一体的に管理運営を行う指定特定相談支援事業所において、常勤かつ専従の相談支援専門員を4名以上配置し、そのうち1名以上が現任研修を修了した相談支援専門員であること。ただし、3名(現任研修を修了した相談支援専門員1名を含む。)を除いた相談支援専門員については、当該指定特定相談支援事業所の業務に支障がない場合は、同一敷地内にある他の事業所の職務を兼務しても差し支えないものとする。
また、同一敷地内にある事業所が指定障害児相談支援事業所、指定一般相談支援事業所又は指定自立生活援助事業所の場合については、当該3名を除く相談支援専門員に限らず、職務を兼務しても差し支えない。
(ク) (1)の㈧関係
当該指定特定相談支援事業所及び一体的に管理運営を行う指定特定相談支援事業所において、常勤専従の相談支援専門員をそれぞれ1名以上配置していること。
(ケ) (1)の㈨関係
取扱件数については、当該指定特定相談支援事業所及び一体的に管理運営を行う指定特定相談支援事業所においてそれぞれ40件未満であること。また、取扱件数は、1月の当該指定特定相談支援事業所全体の計画相談支援対象障害者等の数の前6月の平均値(以下「計画相談支援対象障害者等の平均数」という。)を、当該指定特定相談支援事業所の相談支援専門員の員数の前6月の平均値(以下「相談支援専門員の平均員数」という。)で除して得た数とする。
なお、当該指定特定相談支援事業所が指定障害児相談支援事業所も一体的に運営している場合は、指定障害児支援利用援助又は指定継続障害児支援利用援助を提供した障害児相談支援対象保護者の数も取扱件数に含むものとする。(コ) ⑵関係
アの(ア)に規定する指定特定相談支援事業所以外の指定特定相談支援事業所にあっては、厚生労働大臣が定める基準第1号イの⑵の㈠及び㈢については、アの(イ)~(オ)及び(ケ)の規定を準用すること。
厚生労働大臣が定める基準第1号イの⑵の㈡については、常勤かつ専従の相談支援専門員を4名以上配置し、そのうち1名以上が現任研修を修了した相談支援専門員であること。
ただし、3名(現任研修を修了した相談支援専門員1名を含む。)を除いた相談支援専門員については、当該指定特定相談支援事業所の業務に支障がない場合は、同一敷地内にある他の事業所の職務を兼務しても差し支えないものとする。
また、同一敷地内にある事業所が指定障害児相談支援事業所、指定一般相談支援事業所又は指定自立生活援助事業所の場合については、当該3名を除く相談支援専門員に限らず、職務を兼務しても差し支えない。
イ 機能強化型サービス利用支援費(Ⅱ)について
厚生労働大臣が定める基準第1号ロの⑴の㈡については、当該指定特定相談支援事業所及び一体的に管理運営を行う指定特定相談支援事業所において、常勤かつ専従の相談支援専門員を3名以上配置し、そのうち1名以上が現任研修を修了した相談支援専門員であること。
ただし、2名(現任研修を修了した相談支援専門員1名を含む。)を除いた相談支援専門員については、当該指定特定相談支援事業所の業務に支障がない場合は、同一敷地内にある他の事業所の職務を兼務しても差し支えないものとする。
また、同一敷地内にある事業所が指定障害児相談支援事業所、指定一般相談支援事業所又は指定自立生活援助事業所の場合については、当該2名を除く相談支援専門員に限らず、職務を兼務しても差し支えない。
なお、厚生労働大臣が定める基準第1号ロの⑴の㈠については、アの(イ)~(カ)まで、(ク)及び(ケ)の規定を準用すること。
厚生労働大臣が定める基準第1号ロの⑵の㈢については、常勤かつ専従の相談支援専門員を3名以上配置し、そのうち1名以上が現任研修を修了した相談支援専門員であること。
ただし、2名(現任研修を修了した相談支援専門員1名を含む。)を除いた相談支援専門員については、当該指定特定相談支援事業所の業務に支障がない場合は、同一敷地内にある他の事業所の職務を兼務しても差し支えないものとする。また、同一敷地内にある事業所が指定障害児相談支援事業所、指定一般相談支援事業所又は指定自立生活援助事業所の場合については、当該2名を除く相談支援専門員に限らず、職務を兼務しても差し支えない。
ウ 機能強化型サービス利用支援費(Ⅲ)について
厚生労働大臣が定める基準第1号ハの⑴の㈡については、当該指定特定相談支援事業所及び一体的に管理運営を行う指定特定相談支援事業所において、常勤かつ専従の相談支援専門員を2名以上配置し、そのうち1名以上が現任研修を修了した相談支援専門員であること。
ただし、現任研修を修了した相談支援専門員1名を除いた相談支援専門員については、指定特定相談支援事業所の業務に支障がないと市町村が認めた場合においては、同一敷地内にあるそれ以外の他の事業所の職務を兼務しても差し支えないものとする。
また、同一敷地内にある事業所が指定障害児相談支援事業所、指定一般相談支援事業所又は指定自立生活援助事業所の場合については、当該1名を除く相談支援専門員に限らず、職務を兼務しても差し支えない。
なお、厚生労働大臣が定める基準第1号ハの⑴の㈠については、アの(イ)、(エ)~(カ)まで及び(ケ)の規定を準用すること。
厚生労働大臣が定める基準第1号ハの⑵の㈢については、常勤かつ専従の相談支援専門員を2名以上配置し、そのうち1名以上が現任研修を修了した相談支援専門員であること。
ただし、現任研修を修了した相談支援専門員1名を除いた相談支援専門員については、指定特定相談支援事業所の業務に支障がないと市町村が認めた場合においては、同一敷地内にあるそれ以外の他の事業所の職務を兼務しても差し支えないものとする。
また、同一敷地内にある事業所が指定障害児相談支援事業所、指定一般相談支援事業所又は指定自立生活援助事業所の場合については、当該1名を除く相談支援専門員に限らず、職務を兼務しても差し支えない。
エ 機能強化型サービス利用支援費(Ⅳ)について
厚生労働大臣が定める基準第1号ニの⑵については、専従の相談支援専門員を2名以上配置し、かつ、そのうち1名以上が現任研修を修了した常勤の相談支援専門員であること。
厚生労働大臣が定める基準第1号ニの⑴については、アの(イ)、(エ)、(オ)及び(ケ)の規定を準用すること。なお、機能強化型継続サービス利用支援費の取扱いについても同様である。
初回加算の範囲の拡大
集中支援加算
居宅連携加算
主任相談支援専門員配置加算
ピアサポート体制加算
上記説明文中「第二の3の(7)の④」