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(訪問系)重点支援【支援困難】チェックシート|e-ケア書式|介護現場でスグ使えるひな型

カギ預かり協定書|e-ケア書式|介護現場でスグ使えるひな型 | イコール在宅ケアサービス

弊社では行政用語の「支援困難」ケースという表現は避け、「重点支援」ケースと表現しています。この記事では全て読み換えてご利用ください。

重点支援(支援困難)ケースの判断基準となるチェック項目

【想定される対象】
介護保険: 訪問介護・訪問看護・ケアマネージャー(居宅介護支援)・福祉用具貸与
障害支援: 居宅介護・重度訪問介護・同行/行動援護・地域生活支援(移動)・計画相談支援

【書式のポイント】
〇弊社の現場業務の積み重ねから”難しさ”の基準を作成(現場のカンを文書化)
〇キャリアの浅い従業員でもリスク要因を発見・報告できることを目指す
〇一時判断・初期トリアージ用にチェック項目を大くくりにし、素早く判断できるよう整理
〇詳細はアセスメントシートに記載する仕様で、アセスシートと項目を連動させている

(説明)

介護サービス提供時の『ケースごとの難易度(事故の起きやすさ/課題解決の難しさなど)』は、介護保険要介護度や障害支援区分などの公費区分だけでは判断がつきません。アセスメントを実施し、経験ある人が難易度を判定していくことになりますが、明確な基準は無く、経験とカンに頼らざるを得ないところがあります。

この『ケースの難易度』の基準を明文化する試みが重点支援チェックシートです。過去の弊社の経験等に基づき課題となりうる項目や事例を列挙し、サ責・ケアマネージャーが手早く一次判断できるよう項目建てしています。

経験の浅い介護職員でも簡単に一次判定できること、それなりに経験ある介護職員にとっては見落としのチェックとなるようなイメージで作っています。弊社では、1項目該当でサ責間共有・検討、2項目該当で原則重点支援ケースに認定としています。

下記は、チェックシートにプラスアルファした解説・詳細資料です。各項目について具体的リスク・検討課題を”起きうること”として示しています。

上記の表のテキストは、この記事の最下段に掲載しています。

なお、”重点支援”ケースという用語は、行政用語の”支援困難”ケースを言い換えた社内用語です。”困難”にネガティブな響きがあることからそうしています。

①公費区分では判定されづらい”社会的”要素の盛り込み

『社会的に要支援』『移動困難』の項目で、ご利用者の身体状況以外で留意すべき事例を入れています。サービス提供責任者やケアマネージャーなど介護職員は、社会資源の活用を課されてはいますが、具体的ノウハウの研修などは少なく、最も個人の資質次第になっています。

②心理・認知の課題要素を盛り込み

心理的な不安定さや、意思決定の力が落ちている方へのサービスは、留意すべきことが増加します。診断がついていない場合は、軽々に断定はできませんので書式の表現としては幅を広げた表現としています。

③災害・救急時対応の難易度も項目選定のベースに入っています

日常のサービス提供難易度が考え方のベースですが、災害・救急時に難しさが出る要素も考慮に入れています。重点支援(支援困難)ケースは、管理者・中核サ責などの担当領域にあるかと思いますので、同様に考えるべき災害対応時に難易度が上がる要素も項目には入れています(例・移動困難)。いざという時に留意すべき要素を、日常の中でもホンの少し視野に入れたいと考えたためです。


事業所内での日常アセスメント(リスク把握)に加えて、地域包括支援センターや行政で困難ケースの基準を明文化するとしたら、多少なり参考になるかとは思います。

合わせて、少し福祉とは離れたジャンルの方が、福祉的な目線でトリアージする必要が出た場合(後見人受任の弁護士・司法書士・行政書士等の方、避難所などの運営の方、など)にも横断的な一次検討事項のチェックとして参考となろうかと思います。


小林知久 / Kobayahasi Tomohisa

株式会社イコール代表取締役。早稲田大学卒業後、24歳の時に母親の創業に加わり設立事務を担当。その後、地元市議会議員を8年、NPO法人の設立運営、デザイン会社の設立運営、青年会議所でのイベント運営・災害支援・東京都会長などに携わる。2016年より代表取締役。組織マネジメント、ICTと運営効率化、行政・法務など、実学を中心に実践しながら研究。2007年に始めたwordpressの試行錯誤が趣味。詳細プロフィールはコチラ

チェック項目・起きうること(チェックシート画像内の文章をテキストで再掲)

【独居】
:1人暮らし
:同居親族がいない。週1以上来訪するような近隣づきあいがない。
〇逝去時に発見出来ない
〇転倒時などに鍵が開けられず救出できない
〇生活維持作業(銀行など)に支援がなく滞りやすい
〇重要な契約等の際に保護されない(サギ等に合いやすい)

【同居者が要介護】
:老々・老障のみ世帯
:本人のみならず家族も要介護状態。元気な同居人がいない。
〇介護負担で同居者がつぶれる
〇同居者の健康が前提のプランが変更できない
〇同居者の救急に対応できない
〇複数のマネジメントが介在し中途半端

【意思決定が困難】
:認知症、知的障害、後見利用、児童など
:危険予測(火や事故)が出来ない。自身の状況説明ができない。【家族が意思代行する場合も含む】
〇介護員に求められる安全管理判断が通常より高度
〇アセス(状況把握)が難しい
〇”預かり”になりやすく介護員が緊急対応に困る
〇徘徊・迷子の可能性
〇意思決定方針の保護者との事前確認が多い

【心理的に不安定】
:精神疾患、高い攻撃性、中毒的依存
:何らかの要因により、心理的安定を失う。自傷や他者への攻撃性が強い。
〇突発的対応が介護員に求められる
〇リスク要因(環境・言動等)の把握と対応の難しさ
〇介護員の心理的ケア
〇医療職との連携(無理解への対応)

【社会的に要支援】
:外国人、近所と緊張状態、ゴミ屋敷 など
:介護サービス以外の手立てが必要。緊急時に弊害が出る程度可能性がある。
〇緊急時に独自性ある対応が必要
〇言語・文化の違いによる重要事項の伝達ミス
〇近所への説明対応 
〇近隣サポートが得られない

【医療連携が必要】
:ターミナル、透析、糖尿、痰吸引、難病、てんかん
:医療的ケア・薬が無いと命に関わる。容体急変がある。
 介護員に医療的知見が必要な疾患。現状は安定だが、在宅看取り希望。
〇技術・資格が必要
〇介護職の恐怖・拒否感情
〇医療職との複雑な連携
〇家族のグリーフケア、介護職の心理ケア

【移動困難】
:重度身体障害、体型が非常に大きい
:家からの外出が独力で出来ない。複数人がいないと移乗が困難。歩行できない。
〇介護職の蓄積疲労(腰痛) 
〇救急・事故時の運搬の対応
〇火災・災害時の避難方法の構築
〇身体介護の技術の細かな(全面的な)調整

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