(在宅系)介護現場のハラスメント対策【利用者ハラスメント】|厚労省資料など

令和3年(2021年)以降の、介護保険・障害サービス事業者(在宅系)への「介護現場でのハラスメント対策」に対応して、特に利用者から介護者へのハラスメントに関して、順次内容を拡充してまいります。

この記事の最終更新:令和3年(2021年)9月10日

行政発行資料・ガイドライン(ダウンロード)

介護現場におけるハラスメント対策マニュアル(2019年)

介護現場におけるハラスメント事例集(2021年)

在宅介護サービス業におけるモデル安全衛生規程・解説(2005年厚労省中央労災防止協会)

(在宅系)介護現場のハラスメント対策【利用者ハラスメント】|厚労省資料など
(在宅系)介護現場のハラスメント対策【利用者ハラスメント】|厚労省資料など

在宅介護サービス業における労働災害事例集(2005年厚労省中央労災防止協会)

上記マニュアルの参考ページ↓

(在宅系)介護現場のハラスメント対策【利用者ハラスメント】|厚労省資料など

職場の危険見える化実践マニュアル(厚労省中央労災防止協会)

社会福祉施設向けのイラストマニュアル(事例)が25ページ以降に掲載されています。

上記マニュアルの参考ページ↓

(在宅系)介護現場のハラスメント対策【利用者ハラスメント】|厚労省資料など
(在宅系)介護現場のハラスメント対策【利用者ハラスメント】|厚労省資料など

想定される対象事業

介護保険: 訪問介護・訪問看護・ケアマネージャー(居宅介護支援)・ほか、在宅事業全般
障害支援: 居宅介護・重度訪問介護・同行/行動援護・地域生活支援(移動)・計画相談支援

(在宅系)介護現場のハラスメント対策【利用者ハラスメント】|厚労省資料など

解説

在宅の特性・介護員の安全と利用者意思の葛藤

在宅系の介護事業者の一番の難しさ(施設との違い)は、利用者またはその家族の管轄(所有)する領域に、コチラが入らせて頂くという点です。備品の置き場所ひとつでも、ご利用者や同居の家族の同意を得る必要があります。

その場合、『介護者の安全(精神的安心な職場環境)・ ”在宅介護員を守る” 視点』と『利用者の意思・希望』がぶつかる場合が多くあります。「自宅のあり方を人に指図されたくない」という利用者の意思を尊重するあまり、そのしわ寄せで介護者が”ガマンすればいい”となりがちです。

一方で、「危険な家だから行きたくありません」と事業者が主張することのも、要介護者の生活が成り立たなくなる可能性があるという中で、過剰になってはいけないことです。

令和3年制度改正で”介護員を守る”義務が明文化

令和3年(2021年)の制度改正では、「現場介護員のハラスメント対策」が事業者の義務となりました。ハラスメント対策というと、上司・同僚から部下へのセクハラ・パワハラが想像されやすいですが、利用者から介護者へのハラスメントという ”在宅介護員を守る” 概念がようやく明文化されました。

上記の難しい葛藤への対応が明文化・義務化されることは事業者の負担にも思えますが、逆に言いますと「介護員を守れないからお断りする」権利も明文化されたということです。本来、会社は労働者を守る義務があるのですが、行政からは”依頼を断れない義務””専門家の責務”ばかり言われ、片務的でした。

そういった意味で、この改正を前向きに捉え、在宅介護員の他業界では普通の環境の実現につなげたいところです。

包括・市役所の仲介依頼が重要(虐待防止と同様の運用)

社内のパワハラ・セクハラは、事業者(経営者・マネージャー)の責任が大きいですが、利用者から介護職へのハラスメントとなると事業者が単独で判断するとエゴと捉えられやすくなり、第三者の眼・各種機関との情報共有・連携・意見のすり合わせ・立ち合いが非常に重要です。その意味で、対応方法としては、虐待対応とほぼ同様であろうと思います。

利用者から介護職へのハラスメントに関しては、コトを構えるのが目的でなく適切な落としどころが求められます。すり合わせや仲裁が重要です。いきなり弁護士に相談するのは全くもって不適切です。そういった面から言いますと、事業者責任のみならず、行政・包括の義務とした方がいいと考えます。(実際、事業者向け研修や弁護士への相談窓口のような抽象的な取り組みが多く、実際の現場での事例に仲介・仲裁・対応してくれない行政・包括は頻発しそうです)

歴史と積み重ねのある”労災事例”が参考にできる

セクハラ・パワハラは資料なども多くイメージがわきやすいのですが、事故に繋がる環境を放置することもハラスメントと捉える視点が必要です。(実際には非常に難しさはありますが、実損害・頻度はこちらの方が大きい)

事例をどう判断するか、エゴになっていないかを検証精査するにあたっては、労働災害関連の資料が非常に役立ちます。基本的には労災事例として挙げられる事故・内容は「起きないよう労働者を守る事業者の義務」が発生するからです。

残念ながら、在宅については毎度のごとく論点整理が施設に比べて遅れています。そういった中で、2005年の資料にはなりますが、 厚生労働省中央労働災害防止協会の事例集に「在宅介護サービス業における労働災害事例集」がありました。古さはありますが、参考とできるかと思います。

ケアマネージャー(相談支援員)は、当事者意識が必要

現状、”在宅介護員を守る”のはサービス事業者の義務としてのニュアンスが強いですが、居宅サービス計画をつくりサービス事業所にその現場に入る指示をするのはケアマネージャー(障害のケースでは相談支援も該当の可能性)です。

「嫌なら断ればよかったじゃない、同意は得てる」とケアマネージャーは考えがちですが、もし利用者と事業者に見解の相違が出た場合には自身の責任が一番大きいととらえ、早急に対策をとる必要があります。

「A事業所から断られたから、うるさいこと言わないB事業所に」などという発想は最悪です。対策をとらずに安易に事業所変更などで済ませた場合、B事業所のリスクを知っていて放置したことになります。また、いくら説明・同意をしたとしても、B事業所から「ケアマネさんに言われたら断りづらいので止む無く」等と言われたら、ケアマネージャーの責任となりかねません。ケアマネージャーはサービス事業所に対し”優越的関係”が成立すると考えた方が、ケアマネージャーの自己防衛となります。


この記事は今後、順次拡充していく予定です。最新更新情報はメルマガでご確認ください。

(在宅系)介護現場のハラスメント対策【利用者ハラスメント】|厚労省資料など
社長・小林知久|株式会社イコール

小林知久 / Kobayahasi Tomohisa

株式会社イコール代表取締役。早稲田大学卒業後、24歳の時に母親の創業に加わり設立事務を担当。その後、地元市議会議員を8年、NPO法人の設立運営、デザイン会社の設立運営、青年会議所でのイベント運営・災害支援・東京都会長などに携わる。2016年より代表取締役。組織マネジメント、ICTと運営効率化、行政・法務など、実学を中心に実践しながら研究。2007年に始めたwordpressの試行錯誤が趣味。

関連記事